【伊藤潤二傑作集 死びとの恋わずらい】のあらすじや見どころ紹介!

ホラー・オカルト

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こんな人におすすめ
  • ホラーやミステリーが好きな人!
  • 人間が豹変するシーンが好きな人!
  • 短めで面白い漫画を探している人!

【伊藤潤二傑作集 死びとの恋わずらい】のあらすじ・概要

物語の舞台である難澄市は深い霧が立ち込める不気味な町であり、そこでは交差点に立って通りがかった人に占いをしてもらう「辻占」が流行していた。主人公の龍介は幼い頃この町に住んでいたことがあり、一度は難澄市を離れたものの親の仕事の都合で十年ぶりに戻ることとなる。懐かしい友達に初恋の女の子と再会するが龍介の心は晴れない。彼は「辻占」に苦い思い出を持っていた。

龍介がまだ小さい子供の頃、ある女性から「辻占」を頼まれる。女性は不倫の恋に悩んでいた。この恋が成就するかを問われた龍介少年は、引っ越しによりこの町を去らなければならない悲しみのあまり、女性に心無い言葉を浴びせてしまう。それがきっかけで、なんと女性は自殺してしまうのだ。龍介は、見知らぬ女性を自死へと追いやってしまったことへの自責の念に苦しみ続けていた。

龍介が町に舞い戻ったと同時期に奇妙な事件が起こることとなる。女生徒が「辻占」をしていると四つ辻に謎の美少年が現れる。美少年は必ず「辻占」に対してネガティブな返答をし、その魔性の力で相手を精神的に破壊して自殺に追い込むのだ。龍介は誰よりもこの珍事件に対して敏感に反応した。幼いころの自分と同じことをしている奴がいる!そいつを捕まえることが自分の使命であると感じた龍介は、四つ辻の美少年捜索に出掛けるのであった。

作品情報

ホラー漫画の大御所、伊藤潤二先生によって描かれた作品。『ネムキ』誌にて 1996年5月号 – 1996年11月号で連載。2022年第34回アイズナー賞で「最優秀アジア作品賞」を受賞した。

アイズナー賞とは?

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正式名称ウィル・アイズナー漫画業界賞(ウィル・アイズナーまんがぎょうかいしょう、The Will Eisner Comic Industry Award)は、アメリカで最も権威ある漫画賞の一つで、「漫画のアカデミー賞」と呼ばれる。識者と業界人によって受賞作が選ばれるのが特徴。

wikipedia

しゅ、しゅげぇ…漫画のアカデミー賞だってよ。ちなみに他に「最優秀アジア作品賞」を受賞した作品として浦沢直樹先生の「20世紀少年」が挙げられる。

【伊藤潤二傑作集 死びとの恋わずらい】の登場人物

深田 龍介(ふかだりゅうすけ):難澄第二中学校に通う男子中学生であり本作品の主人公。幼いころに犯した罪の意識に苛まれ続けている。そんな憂いを帯びた雰囲気が魅力的なのか、顔が良いからなのか、クラスの女子からはモテる。

柴山 みどり(しばやまみどり):龍介の同級生であり彼の初恋の女子。彼女もまた龍介に想いを寄せており、人知れず苦悩する彼を献身的に支える。

田中 鈴枝(たなかすずえ):龍介やみどりの同級生。初めのうちは二人の仲を取り持つ良き友人的ポジションにあるが、龍介に密かに抱いていた恋心を四つ辻の美少年に見透かされ、以降狂気のモンスターラブマシーンへと変貌することとなる。

四つ辻の美少年:四つ辻でランダムにエンカウントする謎の人物。背が高く黒い服を着ている。ルックスもイケメンだ。

【伊藤潤二傑作集 死びとの恋わずらい】の見どころ

ここが推しPOINT
  • ホラーでありながらミステリーでもある
  • ずっと同じ街の中で話が展開するが飽きさせない
  • 1巻分にも満たない話数なのですぐに読める

ホラーでありながらミステリーでもある

謎の美少年の「呪い」ともいえる魔力によって次々に凄惨な死を遂げる女生徒たち。一体この美少年は何者なんだ!?龍介は彼の正体を暴くべく奔走するが、あと一歩のところで美少年は霧とともに姿をくらます…。街中では亡霊が徘徊し、いつもの伊藤先生独特のホラー力全開といった感じではあるが、本物語では同時に美少年の行方を追うというミステリ要素も含んでいることが特徴だ。少しずつ美少年と龍介の因果が明らかになっていき、そして物語は想像もしない形で終結する。

余談ではあるが、ドラマ『岸辺露伴は動かない』でも四つ辻について語られていたっけ。道が交差する場所は危ないんだとかなんとか…。先に記事で書いた「俺と悪魔のブルーズ」もクロスロード(十字路)から物語がスタートするし、今後リアルで四つ辻を通るときは気をつけたほうがいいのかもしれない。

ずっと同じ街の中で話が展開するが飽きさせない

この物語では舞台である難澄市から場所を移動しない。ずっと同じ所で話が展開していき、そして完結する。舞台の転換などなくても、楽しめるストーリーラインになっているのだ。また、要素としてはもうひとつ登場人物が豹変していく様が不気味で面白いというのがあるだろう。謎の美少年の悪魔的ささやきによって人格を変えられ破滅していく者たちの姿は、恐ろしくもあり哀れでもあり、そして目が離せない。

1巻分にも満たない話数なのですぐに読める

「伊藤潤二傑作集4」に収録されている本作の割合は全体の約6割程度である。ページにして244、1巻分にも満たないので短時間で読めるだろう。もちろん「死びとの恋わずらい」以外の残り4割ぐらいの物語も安定して面白い。特にキャラの濃い登場人物が繰り広げるホラーコメディ「怪奇ひきずり兄弟」はおすすめです。要チェケラ!

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【伊藤潤二傑作集 死びとの恋わずらい】のまとめ

以上が「死びとの恋わずらい」の漫画紹介でした。興味を持った方はぜひ一度読んでみてください。アイズナー賞は伊達ではないことがわかるでしょう!

 

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