【ゲレクシス】のあらすじや見どころ紹介!

ダークファンタジー

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こんな人におすすめ
  • スキマ時間にサクッと読みたい人!
  • 古谷実のギャグや台詞回しが好きな人
  • 古谷実が好きだけど重い系のストーリーが苦手な人
  • ブラックなコメディが好きな人

【ゲレクシス】のあらすじ・概要

さなバウムクーヘン店を営む大西たつみ(40)は人生初めての恋をした。その想いをたったひとりの友人であり従業員である倉内ゆう子に打ち明け、二人で件の女性に会いにいくが倉内にはその女性の姿を認識することができない。そして倉内だけでなく通りすがりの人に聞いてみても同じ答えが返ってくるばかり。大西が恋をした女性は彼にしか見えない存在だったのだ…。病院に行くかお祓いに行くか右往左往するがついに意を決してその女性に話しかける大西。するとあら不思議、美しい女性は頭が巨大な卵のような謎生物に変身。大西はその謎生物を「モウソウ」と名付け、一刻も早くお医者さんに行かなければならないと涙する。しかし彼の願いは叶わない。大西も巨大なパンのような頭をした「モウソウ」の亜種のような生物に変化してしまったからだ。「モウソウ」曰く、彼は23年間もの間その場で移動することはおろか死ぬことも出来ないまま独り佇み続けていたという。大西はそんな理不尽な世界に引きずりこまれてしまったのだ。

掲載情報

青年漫画誌『イブニング』で連載(2016年-2017年)。「行け!稲中卓球部」や「ヒミズ」で有名な古谷実先生によって描かれた作品である。

【ゲレクシス】の登場人物

大西たつみ:本作の主人公でありバウムクーヘンを焼くことに人生を捧げた40歳男性(独身)。両親とは死別し、ひとりで父が遺した「バウムクーヘンのオオニシ」を経営する。イタリアの首都はどこかと聞かれると少し考えてから「マンチカン」と答えるほどの無教養ぶりだが、倉内曰く「彼の焼くバウムは一級品」とのこと。

倉内ゆう子:「バウムクーヘンのオオニシ」で働くアルバイト。23歳。立場上は大西の部下にあたるはずなのだが、暇さえあれば彼をイジリ倒す。

モウソウ:謎生物①。性格や言葉は見た目以上にまともで、コミュニケーションも十分に取れる。大西のように人間から変化した存在だと思われるが、自分が何者かはとんとわからないという。23年もの間孤独に負けず頑張ってきたが、誰もその苦労を偲ばず、評価しないことを不服に思っている。

正気(しょうき):巨大なジャガイモ頭の謎生物②。知らない土地の田んぼの片端に8年間立っていたらしく、モウソウと同じく自分の前世がわからない。大西たちと出会ったときの第一声が「オレと死ぬまで一生友達になるか?」であり、言動も行動もぶっ飛んだ曲者。大西の初キッスを奪う。

【ゲレクシス】の見どころ

ここが推しPOINT
  • これまでの古谷実作品とは違う世界観を味わえる
  • 展開の先が読めない面白さ
  • 全二巻なのですぐに読める
  • ブラックな空気は漂っているが基本笑える

これまでの古谷実作品とは違う世界観を味わえる

古谷実先生といえばレジェンドギャグ漫画「行け!稲中卓球部」。読んだことがなくても名前は知っている、という方も多いのではないだろうか。その後「僕といっしょ」や「グリーンヒル」などギャグ作品を描くがヒミズで一気にダーク路線へ作風を変更。「ヒミズ」の連載後は「シガテラ」や「わにとかげきす」など日常ギャグと社会や人間のダークな部分を組み合わせた作品を描いています。

そして本作「ゲレクシス」に関してはさらに路線を一変させ、がっつりファンタジーを展開。「シガテラ」しかり「わにとかげぎす」しかり現実に即した世界観を描いていた。しかし今回は現実では起こりえないようなシーンがガンガン迫ってくる。ていうかストーリーが独特すぎてファンタジーと呼んでいいものなのかも定かではない。これは、もう、「ファンタジーっていうか何だこれ?」という感覚に陥ること請け合いである。

一方で古谷先生の持ち味のひとつである面白いセリフ回しだったりキャラ同士の掛け合いの妙は健在。絶望的な状況なのにめちゃくちゃ笑える、そんな作品です。

展開の先が読めない面白さ

上記の内容と少し被るが、唯一無二と言っていいほど奇想天外な設定と物語をしているので当然先の展開なんて読めやしない。あらすじの項目書いてても「これ今何の話書いてんだ?」って思ったもん。「あれがこうなってこれがそうなって…ええ?はい?」って感じで理不尽な出来事が登場人物に容赦なく襲いかかるもんだから、彼らには同情の念を禁じ得ない。日常から一転、謎の生物に転生させられ不条理な世界をあてどもなくさまよう主人公たち。何をどうしたらいいのかもわからない、最終的にどう着地するのかも想像できない。そんな展開の読めなさが読者を惹きつける作りとなっている。

全二巻なのですぐに読める

この「ゲレクシス」、コミックスにして全二巻というお手軽サイズとなっているので通勤や通学の電車の中などでサクッと読めます。「面白い漫画は読みたいけど長すぎるのはちょっと…」という人におすすめ。読み終わったあとはむしろ「もうちょっと続いてほしかった」と思うかも。

ブラックな空気は漂っているが基本笑える

ブラックな空気とは何を指すかというとシンプルに「死」の可能性である。あらすじで書いたことと矛盾するようだが、途中から風向きが変わり、ある条件を満たしてしまうと死んでしまうことが発覚する。それがそんなに難しい条件でもないから緊張感も跳ね上がり、いよいよ彼らの行く末から目が離せない。

「ヒミズ」とか「シガテラ」を読んだ人はわかるかもしれないが、中期~後期にかけての古谷先生は登場人物をけっこうえぐい目に遭わせることに定評がある。だが本作はダークさとギャグの塩梅がちょうどよく、どっちかに偏りがあるわけではない。なので「さすがにもうヒミズみたいな救いようのない終わり方するやつは無理~」という人も大丈夫なので是非読んでみてほしいと思います。

【ゲレクシス】のまとめ

以上が「ゲレクシス」の漫画紹介でした。笑えて、ちょっと怖くて、先の見えない面白さがある。ゲレクシスはそんな漫画です。古谷先生の作品を読んだことがある人もない人も、ちょっとでも本作が気になったなら、新しい古谷実ワールドを味わってみてはいかがでしょう?

 

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この記事を書いた人
さーし

漫画を読んでいるときが一番幸せ。いやなことがあっても、漫画を読めば新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のようなスゲーッ爽やかな気分になれる漫画中毒者。

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